小麦色のマーメイド/土岐麻子


日本で「ディーバ系」と分類される女性シンガーはたいがいR&Bテイストのヴォーカリストと相場が決まっているが、いくら上手くても毎日肉料理ばかりだと胃がもたれる。それでなくても暑くて食欲が落ちている中、軽くてさっぱりしていていつまでも聞き続けたい女性ヴォーカリスト土岐麻子だ。ジャズのスタンダードを歌ったアルバムも出しているくらいだから歌の巧さは折紙付き、軽いようでもしっかりしているから安心して身を任せられる。


そんな土岐麻子松田聖子の名曲「小麦色のマーメイド」を歌っている。1982年リリース、作詞は松本隆、作曲は呉田軽穂(=松任谷由実)の黄金コンビ。オリジナル曲は真夏の午後の気だるいまったりした雰囲気がよく出ていて、稲垣潤一「夏のクラクション」と並んで僕の「夏うたコレクション・後半編」のベスト5に入る楽曲だが、土岐麻子はそれを歌とアレンジの力で1ヶ月繰り上げさせた。歌に出てくる林檎酒か、ライトなシャンパンか。ちょうど今の時期、ヘビーローテーションで聴くのにうってつけだ。


土岐麻子の「小麦色のマーメイド」は新しいミニアルバム「Summerin'」に収録されている。カバー曲では真心ブラザーズの名曲「サマーヌード」もお勧め。飲み過ぎても悪酔いしません。


Summerin'

Summerin'

(2008.07.13)