「談志・談春 親子会」に行ってきた


ちょっと前になってしまったが、立川談志談春師弟による「親子会」に行ってきた。6月28日、場所は歌舞伎座en-taxiでの談春の連載をまとめた『赤めだか』出版記念として企画されたものだが、談志の体調がすぐれず「親子会」になるかどうか危ぶまれていた。


少し遅れて幕が開き、談志と談春は並んでせりから登場。談志は元気そうに見えたが、めまいや糖尿などで当日来られたことすら奇跡的なことだったようだ。


当初の企画では、噺の前半を談春がやり、後半を談志が引き継ぐことにしていたらしい。ところが前半、談春が「慶安太平記」を途中までやった後に出てきた談志は、小咄や短いギャグを20分ほどやってついに噺に入らなかった。後半は談春が「芝浜」を最後までやり、談志は出て来なかった。


前半と後半の間に中休みがあるのだが、昔からの談志ファンと思しき人たちが、複雑な顔をして、みんな無言でタバコを吸っていた。僕は『赤めだか』を読んで家元がすっかり愛しくなってしまっていたし、小咄の連続技とあらゆる角度から素早く落とす話術に「晩年のカール・ゴッチみたいでスゲエ」と感動していたのだが、バリバリの頃を知る人たちにとってはそれはそれは寂しいことだったに違いない。談春の「芝浜」は素晴らしかったと思います。


立川談春『赤めだか』は“弟子を育てる”ためのノウハウがいっぱい詰まった、優れたコーチング本だと思います。抜粋したいところがたくさんありますが、それはまたいずれ。


赤めだか

赤めだか

(2008.07.13)