華氏911をやっと観た

 きのうの夕方、吉祥寺のバウスシアターで観ようと思ったら満員で入れず、次の回の整理券を配っていた。時間がないので泣く泣く断念。きょうの夕方、仕事の合間に六本木ヒルズに行って仕切り直し。
 一部で批判されている「世界貿易センターに飛行機が突っ込むシーンに音をつけている」点だけど、「音がついている」んじゃなくて「音しかない」のね。画面は真っ暗で、マイケル・ムーアは明らかに、観客の記憶を喚起するための象徴として合成音を使用している。テレビであのシーンを見慣れた身には、抑制された表現だと思うけどなあ。ただし同じような轟音が鳴り響くバグダッド爆撃シーンにも合成音が使われていたかどうかはよくわからなかった。
 で、内容について。
 ブッシュJr.が票を操作して大統領になり、軍歴も誤魔化し、証拠もないのにイラクに攻め込んで自国民とイラク人を無駄死にさせていく様子が執拗に描かれるんだけど、やり口が露骨すぎて何が行われているかわかりやすい、というのは小泉総理も同じかも。
 今が過渡期だからかもしれないが、単細胞がトップだとシステムの問題点があからさまになってくる。日本にいる僕らがすべきことは、それらを発見してちゃんと組み立てて提示することだ。
 ただしマイケル・ムーアと違って「ブッシュが去っても変わらないアメリカ」と「それにコントロールされる日本」という構図を頭のどこかで意識し続ける必要がある。