2日と3日のお仕事

 AMラジオはナイター中継があるかないかでシーズンが切り替わる。4月から9月までを「ナイターイン」、10月から3月までを「ナイターオフ」と言う*1。タイムテーブルの改編も主にこのタイミングで行われるため、今週は番組の終了ラッシュ、月曜日からは新番組の開始ラッシュとなる*2
 僕が制作プロデューサーだった深夜の番組もこの日が最後。普段は録音で放送しているのだが最終回は生放送の電リク*3企画である。午後早めに出社してたまった仕事を片づける。改編期はデスクワークもぐぐっと増えるのだ。
 日付が変わるくらいから番組スタンバイ。僕は実作業がないので邪魔しない程度にスタッフとお喋りする。この番組を一緒にやってきた制作プロダクションのプロデューサーから「実は3月末で退社したんです」と言われる。今後はラジオからIT系の仕事にシフトしていくという。何となく世の流れを感じる動きである。
 土曜深夜というか日曜未明なのに、番組スタートと同時にリクエストがたくさん来る。「初めて聞いたのに最終回なんて」というメッセージも目立つ。そういえばリスナーだった頃、誰も起きていないような深夜にラジオで喋っているパーソナリティへのシンパシーはひとしおだったなあ。同じ時間を共有しているというだけでなく、共振する、そういう感じ。久々にこんな感覚を思い出していい気分に浸ったが、こんな風に心の閾値が下がる深夜の時間帯は悪用もできるよな。何かのプロパガンダに使ったりとか。危ない危ない。
 番組終了後、ビールでお疲れさまをして解散。そのまま仮眠室で3時間寝て、再びたまった仕事を片づけ始める。ラジオでは4月からの新番組を紹介する特番を放送しているが、継続番組が多いため今ひとつフレッシュさに欠け、停滞した雰囲気がぬぐいがたい。制作した若手ディレクターは頑張ったが、これはステーション側の問題だ。いったいどうしたら、ラジオが新鮮で面白そうに聞こえるようになるんだろう。
 何とか早く事務作業を片づけて、このテーマに結論を出さねば・・・。

*1:AMラジオの経営はナイタースポンサーからの収入にかなりの部分を依存しており、「ナイターイン」「ナイターオフ」は営業上の表現である。なお、日本シリーズ等「ナイターオフ」の時期でも野球放送をすることがあるが、これは特番扱いでレギュラーシーズンとは別にスポンサーを集めたりする。また、ナイターと無関係なFM局は4月1日、10月1日を切り替えのタイミングに設定するが、リスナーにとってはこちらの方が自然だと思う。

*2:僕が仕事をしている局は継続番組が多く、新番組はラッシュというほどではない。

*3:「電話リクエスト」の略。FAXやメールを併用してもやはり「電リク」と称するが、最近は人件費削減のためかオペレーターを置かずFAXとメールだけでリクエストやメッセージを集めるケースも増えた。「電リク」ももうじき死語になるのだろうな。