ライブドアが経営したら出演しません

 という出演者が続出している、とテレビニュースが伝えている。でも、どこもちゃんと言わないけど、これはニッポン放送が「ライブドアが経営すると企業価値が損なわれる」証拠として東京高裁に提出していたもので、いわば裁判戦術の一環だ。http://www.asahi.com/culture/update/0324/001.html
 たとえば懇意にしているプロデューサーやディレクター、あるいは昔からつきあいのある管理職に「一筆書いてくださいよ」と頼まれればそうするタレントがいても不思議ではない。逆に、堀江社長ニッポン放送の経営者になったところで、ディレクターとは個人的つながりがありますのでと人間関係を盾にとればタレントさんは出演辞退を撤回することも可能で、誰も困らない。これはクサして言っているのではなくて、ラジオとはそういうタイプの仕事なのである。
 出演者に突然辞められて困るのは経営陣ではなく直接担当しているプロデューサーやディレクターだし、引き留め工作だって結局は現場がやるのだ。個別の番組制作に関して、経営者がいちいち介入するなんてことはないのである。「数ある業種の中でも、テレビ局やラジオ局ほど経営陣を総とっかえして問題なくオペレーションが継続できる業種は無いかも知れません」という磯崎哲也氏の見方ITベンチャーがテレビ局を経営するということ | isologueの方が正鵠を得ていると思う。精神の自由は誰かがくれるものじゃなくて認めさせるものだ。詰まるところ最大の問題は「待遇」なのである。
 あと、「堀江社長が経営者になったら降りる、というスポンサーが出てきた」とニッポン放送の元アナウンサー氏があちこちで言っていたが、これはライブドア参入を口実・方便にした提供終了通告である可能性もある(つまりもともとチャンスがあれば降りたいと思っていたわけだ)。僕の知る限り、アナウンサー出身者は営業やマネジメントに疎い人が多いのだが、この方は違うのかな?