ここ1週間の仕事

 「ブログを開く間もないほど忙しい」というのはホントに久々である。
 月末の精算と期末期首の予算作りと明日から始まる聴取率調査週間の準備が一挙に来た。去年は番組のリニューアルも重なっていたが、感覚的には今年の方が慌ただしい。僕の番組で1曜日ディレクターを担当しているプロデューサーは特番も振られてしまい、頭痛と鼻血が止まらなくなって夜中に救急病院へ行った。根を詰めて仕事するタイプだけに絶対過労だよ。もうひとりのディレクターは新番組の立ち上げ。3日ぐらい家に帰っていない。

 「盆と正月が一緒に来る」という表現はめでたくない時でも使うのかしら?

 そこへ社業である新卒者を採用するための面接官のお仕事。いい人を発見するのもさることながら、ラジオがどのように捉えられているかを学生くんたちの話から聞く絶好のチャンスでもあって僕の中では大事な仕事なのだが、う〜ん、ホントにラジオ業界ヤバいかも。

 僕が就職活動したのはバブル絶好調の89年夏だった。完全な売り手市場で企業側が学生を引きとめるためにリゾートホテルに缶詰にしたり風俗店で接待しているなどの噂がまことしやかに流れた時期だ。僕は文学部だったが、同級生たちは畑違いの銀行や証券会社にバンバン就職し、時ならぬ我が世の春を謳歌した。僕らは今では「バブル入社組」として不良債権扱いされている世代である。とほほ。

 そんなバブル世代の僕らですら、自分が試験を受ける企業がどんな事業をしていて、どんな人材を採用しようとしているか、当時はインターネットなんてないから企業の採用用パンフレットを取り寄せて美辞麗句の裏に隠されたメッセージを読み取ろうとしたものだ。僕は放送局と出版社を受験したが、どんな番組を作りたいか、雑誌でどんな企画をやりたいか、今思えば的はずれだったかもしれないが一生懸命喋ることを事前に考えてから面接に臨んだ。

 それが今では、こちらが学生に「どんな番組を作りたいの?」「それはこういうことかな?」と丁寧にインタビューするのだが、そもそもそんなことを考えてもいないようで何にも返ってこない。「面接」とは「己を高く買ってもらうためのプレゼンテーション」だということがどうもわかっていないらしい。1日かけて30人面接し、このことに自覚的だったのはたった一人だった。学生全般がそうなのか、ラジオを受験しに来た学生たちがナメてるのかはわからないのが、ラジオ業界は採用方法を考えた方がいいかもしれない。