亀田興毅を見てきた

 夕方、台本書きを中断して後楽園ホール亀田興毅を見てきた。亀田興毅は現在、ボクシングの日本フライ級10位でこれまで6戦6勝。協栄ジムに移籍して初めての試合である。
 注目の選手だけあって、後楽園ホールはほぼ満員の盛況。リングサイドには小川直也千代大海ら格闘系の選手のみならず、野村克也・サッチー夫妻や電撃ネットワークの南部虎太(後頭部を見ただけですぐわかる)やテリー伊藤(たぶん)も姿を見せていた。亀田に花束を渡す役目で浜口京子も来ていて、各社のカメラマンは並んで座った野村夫妻との3ショットを前座の試合そっちのけで撮影していた。

 亀田の相手、タイのサマン・ソーチャトロンは元WBC世界ライトフライ級のチャンピオンで王座を10回防衛している。ただしそれは95年から99年にかけての話で、2002年から今年の2月まではブランク、復帰してから2連敗中という選手だ。
 そんなわけで、亀田はサマンを最初から圧倒。1Rで3回ダウンを奪い2分59秒TKO勝ち。「世界の実力は昔からあるけど、練習して絶対世界チャンピオンになります!オヤジにチャンピオンベルトをプレゼントします」というビッグマウス浪花節もほほえましく、辰吉丈一郎も彷彿とさせる。

 ちなみにリングがたいへん見やすい指定席Aは1万円也。女の人は15%くらいでK−1には全然及ばないものの若い子も目立つ。一方で丹下段平みたいなオヤジが大声でヤジを飛ばしていたりして、会場の狭さも手伝ってなかなか濃密な空間であった。多くの人がビールを飲んでいて、人が殴り合うのを酒飲みながら見るのもどんなものかと思ったが、ボクシングの成り立ちを考えると逆にそれが正しい見方のような気もしてきた。