駒大苫小牧高校が連覇

 高校野球である。
 去年に続き、たまたま札幌の実家に帰っている時に駒大苫小牧の優勝シーンを見ることができた。去年は東京に戻る途中、試合経過はラジオで聞いて、千歳空港で優勝の瞬間をテレビ観戦したのだが、今年は最初から最後までじっくりテレビで見た。
 へたくそだったとはいえ、同じ南北海道地域で高校まで野球をやった身としては57年ぶりの連覇を北海道のチームが達成したことに感激に堪えない。そして試合そのものも感動的だった。ホントに一発勝負の野球は面白い。時々人生に似ていたりする。
 5万人の前で決勝を戦うという、特殊な環境に置かれてどう平常心をとりもどすか?平常心を取り戻した奴は、浮き足立つ仲間をどう励ますか?1点をもぎ取るためにどんな策略をめぐらすか?相手の作戦の先を読み、その力をどう封じるか?
 駒大苫小牧京都外大西の試合は力が拮抗した者同士の、がっぷり四つのぶつかり合いだったが、内野ゴロやボテボテの内野安打で勝ち越した駒大苫小牧には運もあり、かつ彼らの方が少しだけ試合巧者(=勝ち方を知っていた)だったと思う。
 「試合巧者」・・・。北海道のチームが他県のチームに試合運びの上手さで勝つなんてことは、これまでは考えられなかったことだ。
 僕が高校球児だった80年代前半どころか、つい最近まで僕らは「北海道は冬の間練習できないし、野球僻地だ」と思い込んできた。でも意志あるところに道は拓けるし、アタマを使えば何とかなるときもあるのだ。僕はもういい大人だからそうならない時があることも知っているけれど。