休日の局内

 平日のレギュラー番組を制作しているとウィークデーの祭日はほとんど休みにならないが、営業や総務セクションの人たちはほぼ出勤しないので局内はかなりがらんとした感じになる。電話もかかって来ず、局内を歩いていても声をかけられることもない。
 だいたいプロデューサーの仕事の8割は雑用と調整であって、「××のタイトルは決まりましたか?」「番宣原稿が出てないんですけど」「収録日を早く出してください」「スポンサーとの打ち合わせは」「会議の時間は」「ハンコ押してください」などなど、みんな後輩だからコトバは丁寧だけど、明らかにこちらが下僕、と思える時がままある。
 サッカーで言うなら攻められている時のセンターバック、野球ならノーアウト満塁でのキャッチャーみたいなものか。受け身でいるとホントに消耗するので最近はできるだけ即断即決してすぐに相手にボールを投げ返すようにしているが、それでも改編期前は雑用が増えてしまい肝心なことが後回しになったりする。だめじゃん、後回しにしちゃ。

 「肝心なこと」でもないが、いい機会なのでOA後、デスクに溜まったサンプルCDを整理する。こまめにこれをやらないとデスクがあっという間に埋もれてしまうのだ。おまけに最近、局内に泥棒が頻発していてCDや本がごっそりなくなったりする。何のために局舎の入り口でセキュリティチェックをしているのだ!実際には「局舎に入るIDカードを持った
人物」が盗みを働いている可能性が高く、予防のためにビデオ監視システムの導入が真剣に検討されている。「入り口だけチェックすれば入ってきた人はみんな善人」と考えること自体おめでたい話なのだが。

 セキュリティチェックといえば導入直後は、マネージャーとはぐれたある女優さんが「アタシの顔がわからないの?」と警備員と押し問答したり、IDカードを忘れた先代の社長が受付嬢の前で入構申請を書いたりしている姿を見かけたものだ。最近はこういう話はないのかな。

 この連休は出かける人が多いようで23日は下り線がずいぶん渋滞したらしい。ある中継企画では、放送開始時間になってもタレントが現場に着けないという珍事も起きた。前日22日はみんなまとめて仕事をしていたのか都心の渋滞がひどく、ウチの番組でもゲストが間に合わないというトラブルもあった。三鷹から港区まで3時間もかからないものなあ、普通は。平身低頭されすぎてこちらも恐縮。