和泉元彌が鈴木健想に勝ったことについて

 ワイドショーではお年寄りのコメンテーターたちが困ったような顔をして論じているのだが、そもそも「元彌、プロレス参戦」という見出しを額面通り受け取るから混乱するのである。
 「ハッスル」は本物のプロレスラー出演しているショーパブなんですよ。柔道で3度世界を制した小川直也がタレントのインリン・オブ・ジョイトイに負けたわけじゃなくて、小川直也演ずる「キャプテン・ハッスル」がインリン演ずる「インリン様」にM字固めで敗れるというストーリーだったわけです。説明するのも馬鹿馬鹿しいが、WWE好きのプロレスファンですらこの事態に困ったような顔をしていて、混乱は根深いものがあるようですわ。ショーパブなんだから、この結果をちゃんと笑ってあげないと。
 詳しい人に言わせると「狂言室町時代のドリフ」なんだそうで、元彌クンは狂言の舞台に立てないので別なステージを選んだにすぎないのです。
 ワイドショーでは空中元彌チョップによるKOシーンしか放送しないからみんな「何だアレ」と感じるのであって、11月3日のイベント全体を見ると「リングという舞台で演じられる肉体派ショー」としてよく練られていることがわかります。
http://www.hustlehustle.com/free/fightcard/index.html?id=1129620946

 これを見ると、ショーの始まりは「8時だョ!全員集合」のオープニングのパロディで、ハッピ姿の小川直也いかりや長介よろしく「おいっす!」とやったとのこと。「室町時代のドリフ」参戦を意識した・・・ものであるワケはないが、舞台芸能の時代を超えた共通性に気がついたプロデューサーは本当にエライと思いました。