またまた間が開いてしまった

 40歳になったとたんに生産量が落ちるというていたらく。でも毎日深夜から明け方にかけて行われるトリノ五輪の競技を見て、朝打ち合わせして台本を書くという作業はそれなりに大変なのであった。だっていくら番組で喋るのが自分じゃなくてスポーツジャーナリスト氏だからといって、「へえそうですか、その時間は寝てたので何が起きたか知りません」ってわけにはいかないでしょう。同じものを見たのなら自分の意見があって然るべきであって、口を開けて待っているだけならディレクターは不要なのである。

 ここ数日間の行動を覚えている限りで。

 24日(金)は5時起き。スタジオ部分がうるさいのでBSハイビジョンをケーブルテレビ経由で見る。テレビをつけたらインターバルの製氷をただただずーっと映していてたいへん好感が持てる。安藤美姫が出場する第3グループから見始める。最終組の練習を見ていた人なら荒川静香からバリバリに出ていたオーラを感じることができたはずだ。荒川の演技が凄かったことは今さら言うまでもなく、その集中力と意志の強烈さをもう、ほんとに驚嘆し尊敬するのであるが、ロシアのスルツカヤにも金メダルを取らせてやりたかったと思っている人は多いんじゃないか?
(次の文との間に3日くらいのタイムラグがあります)
そうでもなかったみたいですね。僕の信頼する書き手の方も「スルツカヤの転倒にガッツポーズを思い留まった」とあったりします。さて元に戻って、僕は個人的には、荒川が勝っても良かったしスルツカヤが勝っても良かったのでした。スルツカヤソルトレイクシティ五輪で、恣意的な採点で(と彼女は考えていた)銀に終わった後、家族に続いて本人も珍しい病気に倒れたりして人生の歯車が狂い始めたらしい。辛い日々を送った(そしてそれは今でも続いている)彼女の口癖が“That's life"。それが人生よ。苦境にある人が言うとホントに重みを感じるのである。ちなみに彼女は、日本の浅田真央が年齢制限に引っかかっりトリノ五輪に出られなかったことについても"That's life"と、切り捨てた。いや、切り捨てたのではなく「そういうものだ」と言いたかったのかもしれない。
 そんなスルツカヤがフリーで転倒して「銅」である。一発勝負のオリンピック、しかも氷の上の競技。何が起きるかわからない。別に友達ではないからそんな機会はないのだが、失敗して落ち込むスルツカヤに対して、"That's life"とは言えない気がする。