短期決戦向けの実況もある

 WBC2次ラウンドの中継は、アメリカ戦をニッポン放送のラジオ→日テレのテレビ音声、メキシコ戦をテレビ朝日の実況、韓国戦をTBSテレビの実況で聞いた。
 「絶対に負けられない試合がある」とサッカーのW杯予選を中継したテレビ朝日は、同じフレーズが野球でも使える幸運(笑)。最終的には完勝だったメキシコ戦を盛り上げた。1球が命取りになる、国際試合のぴりぴりする緊迫感がうまく演出されていたと思う。
 一方、韓国戦のTBSテレビはシーズン中のプロ野球実況とほとんど変わらないテンションで実況した。選手の結婚話などのネタを披露し、解説者との間で冗談を言い合うような雰囲気であった。一発勝負の試合にのんびりした話が挟まると、テレビの前で見ているこちらはそのたびにテンションが下がってしまう。こちらが知りたいのは相手選手のプライベートではなく実力や特色、それを抑えるための攻め方なのである。エキシビションマッチならともかく、真剣勝負の実況ではテレ朝に軍配。
 また、アメリカ戦を実況したニッポン放送のラジオもオールドスタイルであった。こちらはアメリカからの実況中継であることを強調したいのか、イニングが始まっているのに「ここアナハイムのフリーウェイはシアトルにまでつながっていまして・・・ 」など無関係な語りを長々と聞かされてちょっと辟易。これもレギュラーシーズンによくある手法である。