酒が酒を呼び、酔っぱらいが酔っぱらいを呼ぶ・・・

 おとなしく仕事して、午前1時過ぎに帰宅。冷蔵庫から缶ビールを出して飲む。
 ピアノが聴きたくなって、BGMはセロニアス・モンクの"Solo Monk"。モンクはソロが好きだなあ。

Solo Monk

Solo Monk

 最近観た映画や読んだ本について書きたいところだが、もう1本企画書みたいのを書かなきゃいけないのでGW中に書いてUPしてなかった文章を引っ張り出しておきます。もったいないからね。あんまり加筆もしてません。すいません。

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5月4日、ラジオで雑誌「酒とつまみ」の編集発行人・大竹聡さんに来ていただいた。
番組では「酒とつまみ」を“カルトなミニコミ”と紹介したが、正確には「酔っぱらいによる酒の上でのバカ話専門誌」である。

「酒とつまみ」と言いながら、酒やつまみの「味」についての言及はほとんどナシ。
酔って気が大きくなったり、同じ話をくりかえしたり、記憶力が減退したり、そのあげく酒が翌日まで残ったり、腹部に変調をきたしたりする“飲んだ後にもたらされるポジティブ&ネガティブな効果”を中心に据えた雑誌なのであった。

連載陣やインタビューに登場する人たちもい〜い感じの酒臭さを醸し出している。
創刊号から連載する戯作者の松崎菊也さんが、2号目にコメディアンのすわ親治さんを連れてくる、といった具合に酔っぱらいの連鎖ができている。
連載の「押しかけインタビュー」は編集部が「飲んでみたい」と見込んだ人に手紙を書いて、「いっしょに飲んでくれませんか」と頼むのだそうだ。ちなみに最新8号は井筒和幸監督。酔っぱらって交通標識を曲げたりとか、バカな武勇伝満載。

酒バカぶりはぜひ「酒とつまみ」を読んで下さい。取り扱い書店もあります。
http://www.saketsuma.com/

4日のOAが無事済んで、翌日分の台本を書いてから帰宅。
寝床で西原理恵子『ああ息子』(毎日新聞社)を読む。

ああ息子

ああ息子

「男の子がいかにバカで突拍子もないか」母親たちからの投稿を受け付け、西原さんが選者となって構成したものである。「バカだねえ」とガハハハ笑って読んだのだが、
よくよく思い出してみたら自分だって小学校に上がる前はミノムシがせっかくつくった蓑を剥いてバケツ1杯集めたり、「ウルトラセブン突撃〜!」とか言いながら団地のガラス窓を頭で突き破ったり、スーパーで行方不明になったり近所の川で溺れかけたり、後頭部をコンクリに打ち付けて大量出血したりと、『ああ息子』に選んでもらえそうなエピソードが10個くらいはありそうであった。男の子の数だけこんなエピソードがあるとしたら・・・ 。

いい年をしたオトナの男は酒を飲んだせいでバカなことをするんじゃなくて、男はいつまでたってもただのバカで、酔えば交通標識を曲げたりするのであった。

5日の放送も無事済んで、伝票処理とかいろいろやって帰宅。
BK1で届いていた漫画「もやしもん」①②を読む。
何でこの漫画を知ったかというと、「酒とつまみ」が紹介された朝日新聞の書評欄に載っていたからである*1

もやしもん(1) (イブニングKC)

もやしもん(1) (イブニングKC)

 
もやしもん(2) (イブニングKC)

もやしもん(2) (イブニングKC)

で、主人公は“菌が見える”という特異体質の大学生。
彼はとある農大に進学し、発酵学研究室のキャラ立ちした教授や先輩たちと騒動を繰り広げる・・・というストーリー。
世界の発酵食品や、発酵飲料である酒に関するネタ満載。もちろんおかしな酒癖を持つ登場人物もいて、「酒とつまみ」が仲間を連れてきたような感じなのである。

漫画の出来としては、スタート時の登場人物(幼なじみで、特殊能力を持つ主人公のフォロー&説明役)として設定されていた造り酒屋の息子「蛍」が話の進行とともに居場所がなくなってしばらく留学することになった・・・という連載ならではの苦しさもかいま見えてシンパシーを感じたりもするのだが*2、「もやしもん」の場合、蛍はしばらくしてから、とんでもないキャラ立ちした人物になって留学から帰ってくるのではないか・・・ という予感がする。

で、同じくBK1で買っておいた勝谷誠彦さんの『イケ麺!』を読む。

イケ麺!

イケ麺!

これもまた酒飲みが書いた日本全国の麺を訪ね歩いた記録。全体としては足で稼いだドキュメンタリーなのだが、話を面白くするための誇張が絶妙でキャッチがうまく、一人称で書かれていることもあってご本人も含めて出てくる人のキャラクターが立っている。アカデミックに、あるいは蘊蓄っぽく書こうと思ったらいくらでもそうなるはずなのに、あっという間にするすると読んでしまった。さすがイケ麺。

*1:ちなみに「ハチミツとクローバー」も同じ書評欄で発見した。その書評欄はこの2つを“学園もの”というくくりで紹介していたのであった

*2:ラジオ番組でも当初の企画や出演者の役割、位置づけがどんどん変わっていくことはよくある