銀行の「引き出し限度額引き下げ」は納得いかん

 今年に入ってから、銀行の「1日あたりの引き出し限度額」が制限されるようになってきた。各行がいつからそうしたかちゃんと調べてはいないのだが、僕がよく使う某メガバンクは2月からそれを実施している。振り込みの場合も同様に、1日あたりの限度額がいつの間にか決められている。これがもう、不便極まりない。
 どうして自分が得たお金を自由に引き出したり、振り込んだりできないのか。たとえば、1日の限度額を上回るお金を移動させようとしたときには、僕は2日に分けて同じ作業をしなければならないのだ。自分の金なのに自由に動かせない。
 銀行は「キャッシュカード盗難対策だ」などというだろうし、その説明をふむふむと納得して聞く人もいるかもしれないが、


 そもそも「不正引き出しをされるようなセキュリティの甘さ」は銀行側の責任なのである。


 銀行は顧客のお金を安全に預かるのが仕事なのだから、生体認証カードだの何だのというセキュリティ向上策は当然、無料であるべきだ。そして、セキュリティが甘くて泥棒に引き出されてしまった預金は、銀行側が全額補償すべきなのである。実際、そうした訴訟も相次ぎ、法律上も偽造・盗難カードを使ったATMでの引き出しは銀行側が補償すべしという「預金者保護法」が今年2月から施行された。


 それで、今年の2月から銀行は「引き出し・振り込み限度額の引き下げ」を実施してきたんだよ。目的は顧客保護ではなく「補償金額を減らすこと」なのだ。もう、まったく姑息である。補償しないための対策として、オノレが設備投資をするかわりに、利用者に不便を押しつけているわけだ。銀行は常に常にそういう態度であり、そのおかげで「過去最高益」を上げているのである。ホントにふざけた話なのだ。