最近読んだ本

素晴らしき日本野球

素晴らしき日本野球

構成を担当したスポーツジャーナリストの生島淳さんに頂いた本。
発売されたばかりで、西武ライオンズの裏金問題に端を発するアマチュア野球の現金授受問題もすばやくフォローされている。長谷川滋利さんはメジャーリーグと日本のプロ野球について、経営の立場と選手の立場、両方の視点から語れる希有な人である。野球好き必読。


星新一 一〇〇一話をつくった人

星新一 一〇〇一話をつくった人

森本毅郎スタンバイ」の書評コーナーで知り、早速bk1で購入(運送会社がクロネコヤマトなのでネットで本を買うときはbk1を贔屓にしているのだった)。550ページを上回る分厚さにたじろぐが、星新一筒井康隆という読書歴を持つ僕ら世代の人にお勧め。星新一の評伝であると同時に、日本のSF黎明期の記録としても読める。


吉原手引草

吉原手引草

仕事の都合で『星新一・一〇〇一話をつくった人』を一時中断してこちらを読む。面白くて一気読み。太平の世が続く江戸時代の吉原で、当代一と謳われた花魁・葛城の失踪事件をめぐる謎解きストーリー。葛城に関わった人たち〜引手茶屋の内儀や妓楼の見世番、番頭、遣り手婆に床回し、幇間や女芸者、葛城の客だったお大尽や客を吉原まで運ぶ船宿の船頭などが、次々に一人称で証言していく。その語りがまず面白く、ついつい音読したくなる。吉原でのしきたりもストーリーの中でうまく説明されてストレスがない。細かいことまでよく調べてるなあと思ったら、作者は歌舞伎の舞台に関わり、評論から小説へと転じた方でした。なるほど、当時の喋り言葉が生き生きとしているわけだ。
 江戸風俗ものや安野モヨコさくらん』が好きな方にお勧めです。