アンナ・ポリトコフスカヤ『ロシアン・ダイアリー』を読んだ

 去年、自宅アパートで何者かに銃撃され、命を落としたロシア人女性ジャーナリストの本である。彼女はチェチェン紛争の内情やプーチン政権の腐敗を追及し続けていて、暗殺は政権側の手によるものだ、とほとんどの人が考えている。


 この本に出てくるプーチン政権の実態がものすごい。大統領選挙の前には自分にスポットが当たるよう放送局にプレッシャーをかけるのは朝飯前で、反政府的と見なされた局は何者かに焼き討ちされてしまう。有力なライバル候補は突然失踪し、何をされたのか数日後にフラフラになって発見される。あげく選挙では得票数そのものも改ざんするのである。僕らの持っているロシアおよびプーチンのイメージが変わること必定だ。