新聞に載ってない分析を放送したい!

 きのう書いた「時事ネタ」の話。悩んだ甲斐あってか、きょうは思いの外うまくいった。
 扱ったニュースは朝刊各紙に載っている「在韓米軍が3分の1減少」。見出しだけ見てても遠い話だが、同時に航空自衛隊の指令基地を米軍横田基地と一緒にする方針、という囲み記事と併せ読むと東アジアでアメリカが何をしたいかが見えてくる。
 アメリカは日本の自衛隊を自分の思うままに使いたいのだ。
 絵解きはこうだ。アメリカは「北朝鮮の脅威」など何ほどのこともないと見切ったので在韓米軍を減らす。在韓米軍はそもそも「対北朝鮮」を目的に置かれた軍隊なので、中東などへ気軽に派兵できない。そこで海外派兵の基地としてさらに日本が重視されるのだ。
 航空自衛隊の司令基地が米軍基地内に移転するとは、すなわち米軍の指揮下に入るということだ。本来、日本国民を守るための自衛隊アメリカの都合で使われる。アメリカのために、日本人たる自衛隊員を差し出すのか?
 日本が事実上、米軍の指揮下に入れば、ガイドライン法に基づいて港湾や公道、民間輸送会社なども強制的に使用されることになる。アメリカの国益を守るため、民間人も含めて日本全体が盾になる「不沈空母」の完成だ。ガイドラインの真の目的は、日本を防衛することなどではなかったのだ。
 日本国民は、コイズミによってアメリカに売り飛ばされちゃった。
 そんなこと誰も望んでないのに、アメリカの番犬になっちゃった。いや。番犬じゃなくて人格のない「弾よけ」だ。

 ・・・ってことを、軍事評論家の神浦元彰さんに出演して貰って放送した。ウチのコメンテーターの見識と相まって、たいへん尖った分析になったんじゃないかな。このような「なるほどそうだったんだ!」と思えるような放送ができると、この仕事やってて良かった!と思えるんだ。

 企画会議でディレクターのT嬢に「これは狙ってやったんですか?」って訊かれたけど、もちろん狙ってやったんだよ。偶然そうなったんじゃなくて筋書きは自分で書いた。だからこそ達成感があって、嬉しいのだ。