音が笑ってる

 普段ウチの番組のとあるコーナーで、玉川カルテットにわざわざ頼んで弾いて貰った三味線の音を使っているのだが、「スペシャルウィーク」の告知のBGMとするには長さが足りないため同じ三味線でも津軽三味線のCDから一節を流用して使用している。ここが不思議なところなのだが、明らかに違う人が弾いている、というのが聴いててわかるのね。玉川カルテットの三味線は「笑ってる」のだが、普通の津軽三味線は笑ってなくて、まじめなの。
 「音が笑ってる」という表現は、タモリ早稲田大学のジャズ研にいた頃に先輩が彼の吹くトランペットの音色を評して言った言葉だが、ホントにそう聞こえることがあるんだねえ。

 「リ・カバー」というアルバムを聴いている。往年のフォークやニューミュージックの歌い手達が最近の(と言っても藤井フミヤの「TRUE LOVE」とかもカバーされてるからそんなに新しくないが)曲を歌っているという企画モノなのだが、何となく便乗っぽいニオイはするものの、鈴木康博(もともと2人だったオフコース小田和正じゃない方の人ね)が歌うキリンジの「エイリアンズ」は絶品だ。TBSラジオ「アクセス」で今週、宮崎哲弥さんがかけていた曲で(討論番組なのに宮崎さんの選曲コーナーがあるのだ)、聴いてて即アマゾンで注文。もともと持っていたキリンジのオリジナルも引っぱり出してはまり聴き中である。歌詞もいいよねえ。時々泣いてしまう。

 踊ろうよ さぁ ダーリン
 ラストダンスを
 暗いニュースが日の出とともに街に降る前に

 キミが好きだよ エイリアン
 この星のこの僻地で
 魔法をかけてみせるさ
 
 きょうは正午から四谷で野球。僕のエラーがもとでボロ負け。やっぱり草野球は守りである。ヒットもなく、足を引っ張った。
 行きがけに電車で新聞を読んでいたのだが、ドロボーたちの魂胆が透けて見えて不快になる。

 ◆防衛庁石破茂長官。自衛隊多国籍軍参加について「指揮命令系統がどうなるか、きちんと検討し、政府の方針を決定する」と発言した。
・・・これは要するに、「自衛隊を米軍の指揮下に入れ、アメリカのために自衛官の生命を危険にさらすため、法律の抜け道探しと国民をごまかす準備をはじめます」という意味だ。
 ◆足利銀行債務超過額が9月の中間決算時の1023億円から6790億円に拡大したことが判明。
・・・足利銀行は破綻していて、いずれどこかに売られる運命だ。売られる時には債務超過分を公的資金で穴埋めすることになっている。ってことは足利銀行を食い物にして逃げた奴が作った借金を、僕らが埋めるってことだ。潰れることが確実になってから「実はこれだけありました」と不足金の額を増やしやがった。

 どっちもひどい話である。1面トップ(読んでたのは東京新聞)は「女性天皇容認、動き加速。皇室典範改正を検討。自民、来年の国会提出をめざす」という記事だが、おのれらの不正から国民の目をそらすための目くらましのように思えてくる。これも立派な「皇室の政治利用」じゃないの?

 ラジオプロデューサーの仕事。
 大好きなキミの未来のために、この星のこの僻地で、僕は魔法をかけることができるのかな。