『もう牛を食べても安心か』(福岡伸一・文春新書)

 勝谷誠彦さんのお勧めにしたがい読み始める。タイトルにあるように狂牛病を入り口にしているが、内容は「生物にとって『食べる』とは何か」を考えさせるものだ。
 食物を構成する分子は体内で燃やされて排泄されるのではない。分子は高速度で身体の構成分子の中に入り込み、同時に身体の分子は高速度で分解されて外へ出て行く。生命を持つ個体は、感覚としては外界と隔てられた実体として存在するように思えるが、ミクロのレベルではたまたまそこに密度が高まっている分子の、ゆるい「淀み」でしかない・・・ 。歴史に埋もれた科学者、シェーンハイマーが唱えた「動的平衡」という考え方は目から鱗が何枚も落ちた。
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