バーコード

 夜9時過ぎ、局の近くの本屋に行って小谷野敦帰ってきたもてない男』(ちくま新書)と三浦展下流社会』(光文社新書)、三田紀房ドラゴン桜⑩』(講談社)を購入。レジで本を出したら、女の店員の手首からひじの間が、赤黒い線でびっしり埋め尽くされていた。間違いなくリストカット跡なのだが、バーコードという表現が誇張でないほどの傷跡なのだ。
 いかにも痛そうだしじろじろ見るのも気が引けてどぎまぎしていたが、彼女は「カバーはおかけしますか?」などと普通の応対。そもそも半袖シャツを着ていて、隠す気もないようだった。
 今夜も家に帰ってから、バーコードの隙間を探してカッターで切るのだろうか。