40代に突入

 会議室で朝を迎えると40歳になっていた。某国の首領様と同じ誕生日なのである。例年、四千万人民が「マンセーマンセー」と万歳してくれたり戦車やミサイルの山車でパレードを開いてくれたりしたのだが、今年はそういうテレビニュースを目にしなかったので心なしか寂しい(笑)。急に祝典をやめるはずもないので、ニュース価値ナシ、ということにされたのかな。五輪もあるしね。
 某国人民の代わりに、番組のスタッフがOA終了後、ロウソクを4本立てたケーキをスタジオに運び込んできてお祝いしてくれた。まったく思いがけず、嬉しいのだがどういう顔をしていいのかわからない。20代の女の子だったら嬌声のひとつも上げるところだが、40男だからねえ。ホントにありがとうございました。
 20代のスタッフは「40には見えませんよ」と褒めてくれるのだが、でも、違うんだな。若さは絶対的な価値などではないのだよ。誰かが「お前を25歳に戻してやる」と言ってくれても、俺、断るもの。いろいろ迷いながらやってきて、最近ようやく「何がどうなっているか」わかってきたところなんだから。「若者は未熟なおじさんである」と喝破したのは夏目房之介だったと思うが、40歳になってようやく成熟への入り口に立てたような実感が僕にはあるのだ。