ラジオはしょぼいテレビなのか?

ラジオ記者、走る (新潮新書)

ラジオ記者、走る (新潮新書)

 文化放送の記者さんが書いた本である。同業者として購入せざるをえまい。そして一気読み。ラジオ番組制作の手法など、オーソドックスなものが紹介されているのでリスナーやラジオの仕事に関心がある人がイメージをつかむ助けにはなりそうだ。
 ただ、人数も予算もないラジオが、テレビや新聞など大きなメディアを相手にいつまでも「ゲリラ」という名の局地戦を戦っていていいのかどうか。半日後にはみんなが知るところになるニュースを「抜いた」「抜かれた」とスクープ合戦してみせるのが嫌い、ということもあるが、誰もがテレビや新聞に目を通していることを“前提に”より大きな構図を語ってみせる・・・ 、というもラジオの持ち味なのではないか。