遅ればせながら「ホテル・ルワンダ」を観た

 仕事が終わった後、時間が空いたので渋谷へ。シアターN渋谷のレイトショーでホテル・ルワンダをようやく観る。番組中で何度も扱ってきたのでストーリーや描写についていわゆる「ネタバレ」の状態で観たのだが、それでも中頃、ドン・チードル演じるポールさんがツチ族の避難民とともにホテルに取り残されるシーンは胸が詰まる。それまで信頼してきた外国人たちが一斉に国外へ逃げ、降り始めたスコールの中、絶望感に打ちひしがれながらも新たな客となった避難民たちに「さあ、中へ入りましょう。濡れますよ」と声をかけるのだ。自分が窮地に立ったとき、絶望に打ち克ってポールさんと同じようなことができるのか?あらゆるシーンで「お前だったらどうするんだ?」と自問してしまう映画なのである。
 11時頃からシアターNの近くにある居酒屋「とみ廣」へ。太田和彦さんの『ひとりで、居酒屋の旅へ』ISBN:4794966911、多くの居酒屋本で紹介されていて前から行ってみたいと思っていた。地下2階の店に入ると、時間が遅かったせいもあってお客は僕以外に推定男40代、女30歳そこそこ(推定)のカップルが1組だけだった。白滝煮と、「最後なので小さいのしかありませんが」と言いながら出してくれた子持ちやりいか煮はどちらも薄味で甘めの味付け。そうか、ゴハンのおかずじゃないんだからこれくらいでいいのか。サザエを刺身にしてもらうと、肝の部分には苦みや生臭みがまったくない。聞くとそこだけ酒蒸しにして出すのだそうだ。なるほど。隣が頼んでいたが、焼きおにぎりもおいしいらしい。三千盛の純米と、聞いたことのない酒を1杯ずつ飲んで引き上げる。