筒美京平トリビュート

 てっきり松尾潔さんの企画かと思いきや冒頭に短めのエッセイを1本寄せているだけだったが、アルバムに収録されている曲はどれもこれも素晴らしい。昭和の歌謡界を支えた作詞家が阿久悠なら、作曲家は筒美京平である。


 こういうトリビュートものは「オリジナルの良さを引き出しつつ自己主張する」匙加減が難しいのだけれど、「筒美京平トリビュート」は元の曲ががっしりしているので歌い手が少々暴れてもビクともしない。山崎まさよしは何を歌っても山崎まさよしになるのだが01「さらば恋人」の60’sなアレンジはなるほど!と膝を打つし05「お世話になりました」のET-KING版は舞台が大阪になっちゃってるけどそれもOK。
千の風になって」の秋川雅史は歌手としてどうなのか僕には全く評価する能力がないのだが、彼の「飛んでイスタンブール」も珍品で耳から離れない。一方、CKB横山剣は最初から戦うことを放棄して大名曲「また逢う日まで」を気持ちよく歌っている。「たそがれマイ・ラブ」や「夏のクラクション」など僕の大好きなシブい名曲もカバーされているし、「魅せられて」のようなオリエンタル歌謡も今聴くと妙に新鮮だ。40歳前後の、ベストテンとかの音楽番組好きだった人にお勧めです。

the popular music ~筒美京平トリビュート~

the popular music ~筒美京平トリビュート~

ラジオプロデューサーの脳内

 ネット上ではずいぶん前から評判のようだけど、誰かの頭の中身を名前を入力することで勝手に覗いちゃう「脳内メーカー」。http://maker.usoko.net/nounai/
 試しに自分の名前を入力してみると、脳の奥にある悪を嘘で隠し、常に金のことを考えながら表面上は愛にあふれているというプロデューサーっぽい結果が(笑)。この診断、あんまり嫌いじゃありません。ちなみにウチの番組のスタッフには「Hでぎっしり」という人がいました。女性です。


 「安倍晋三」と入力してみるとさすが昼食ブログを書いてた人らしい結果が出ます。著名人に関しては「わざと狙ったんじゃないか」という診断も多いですが(「滝川クリステル」とか「朝青龍」とか。フルネームの「朝青龍明徳」でやると違った結果が出る)、おヒマな方はお試しあれ。

「参院選特番」の準備中です

 きょう午後10時からのTBSラジオ「参議院選挙開票特番」の準備中です。
 司会は小西克哉さんと麻木久仁子さん、ゲストに二木啓孝さん、勝谷誠彦さん、宮崎哲弥さん、宮台真司さん。
 テレビも含めた全放送局の中で、最も分析的な番組になると思います。テレビ画面を見ながら、音声はこちらでどうぞ。


■選挙特番のスタジオ部分


■反対側には各局のテレビモニターがずらり

デスクに置かれたPCのモニターでは、TBS系全体の開票速報をチェックすることができる。


後記:
 小西さんの役割は司会ではなくコメンテーターでしたね。並みいるゲストにはさまれて「オレはオチをつける役回りか」とフンガイしてましたけど、どうしてどうして。社民党又市幹事長に対する「マッサージ嬢スキャンダル」の突っ込みなどはホントに秀逸でした(笑)。社民党に詰めていた記者に訊いたら、この話を持ち出したのはウチだけだったとのこと。「投票行動に影響を与えたかも」という点では訊いて然るべき話です。

「Taboo Songs〜封印歌謡大全」その後

 この番組について、コメントを書いて下さった皆様、ありがとうございました。コメントは書かずとも、聴いて下さった皆様にもものすごく感謝です。
 「曲リストをUPします」と書きましたが、synwさんをはじめ正確なリストをUPして下さっているのでそちらを見て下さい。


■コチラ→http://d.hatena.ne.jp/synw/20070722


 実はこの番組、放送前日の7月21日の夕方に録音したものなのでした。「何か問題発言があったら」という配慮からでは全然なくて、単に宇多丸さんのスケジュールが生放送タイミングに合わなかったためです。でも録音にしておいて良かった。宇多丸さんと石橋春海さんのトークのエッセンスをうまく煎じることができたから。あと、途中で出てきた喋りの下手なプロデューサーの話を整理することができたからね*1


 で、2時間の番組なんだけど2時間半くらい録音して、収まりきれずに泣く泣くカットした曲が、


■「黒いかばん」 泉谷しげる
■「おど」    三上寛
■「れ・い・ぷ・フィーリング」  小林万里子


の3曲でした。これらはジャンル分けするなら「確信犯系」に入れられるもので、ぜひ次回はOAしたいなと思います。


 ところでこの番組の放送中、僕はリスナーからの電話での問い合わせや苦情に答えるべく、スタジオでスタンバイしていました。10本くらい電話が来たかな。最初の30分は「いつになったら曲がかかるんだ」「喋りはいいから曲かけろ」というクレームが7〜8本。何でこういう番組をやってるか説明くらいはさせてくださいよ(笑)。この手の電話は7時40分以降は1本も来ませんでした。


 20時台に入ってから、「キミの先輩みたいな者」言う放送関係者OBと自称する人から電話がかかってきました。


 その人のご意見をダイジェストすると、
「私は毎週毎週、新曲が出るたびに民放連で放送の可否を審査していた。キミは若いからわからんかもしれないけど、大変な作業だった。キミは我々のかいた汗を無にするのかね」などと怒るでもなくしかしネチネチと喋り続け、「キミの先輩の××さんや○○さんのこともよく知ってるんだけど」とビビらせようとしたのか僕が聞いたこともないような局のOBらしき人の名前を何人も挙げた。


 そしてその人は僕の名前を訊いてきたのでそれに答え、僕からも「ところで先輩のお名前も教えていただけますか?」と質問したらそれには答えず、「う〜ん、まあ、いずれわかるよ」と名乗らずに逃げやがった。ひとの名前を聞いたら自分も名乗るのが礼儀だと思うがどうか。


 憤慨するうちにOAは終了。直後に電話をかけてきた65歳の女性は「30年ぶりくらいに克美しげるさんの歌が聴けてホントによかった」と、お礼を言ってくれた。大ファンだったのだそうだ。同じ歌を聴いて、不快に思う人がいれば感謝する人もいる。いろんな意味で、心に深く刺さる歌だと言っていいのかもしれない。「公共の電波なんだからみんなが不快にならないように」と放送業に従事する僕らはいろんな局面を通じて注意されるけど、誰にも刺さらない毒にも薬にもならないことを乗せるのが、公共の電波の正しい使い方なのか?


 まあ、ぜひこのあたりのことを僕は考えつつ、次の「封印歌謡大全」を企画してみたいと思います。

*1:オレだ。(泣)

「封印歌謡」特番について

 たくさんの方から問い合わせいただきました。お返事が遅くなって申し訳ありません。21日付の朝日新聞夕刊を読んだ、という方からも多くのご連絡をいただきました。社会面に掲載されると、何か悪いことをしたみたいな気持ちになります。


■7月22日(日)放送 Taboo Songs〜封印歌謡大全
 出演:ライムスター宇多丸石橋春海(『封印歌謡大全』著者)


■関東ローカル(AM954Khz)での放送です。
 電波状態が良ければエリア外でも聞こえることがあります。
 ラジオ本体を動かしてうまく電波をキャッチして下さい。


■インターネット、ポッドキャストでの放送予定は今のところありません。


■どんな曲がかかるかはOAを聴いてのお楽しみに。
 (明日以降掲示します)

また特番を作ります


 7月22日(日)の夜7時〜9時に放送される「Taboo Songs〜封印歌謡大全」を制作しています。出演はライムスター宇多丸さんと前にこのブログでも取り上げた『封印歌謡大全』著者の石橋春海さん。いろんな事情で発禁や放送禁止とされた楽曲を実際に聴きながら、タブーや自主規制の歴史をたどろうという企画です。


 番組準備のためにいろんな「封印歌謡」を聴いていますが、思った以上に名曲揃いですのでぜひお聴き下さい。時間があったらここでもどんな曲をかけるかお知らせします。

オレはどれだけエラいのか?


 どっかの書評で見て面白そうだったので『業界別・肩書きの辞典』という本を購入。夜中に帰ってきてパラパラ読む。僕がよく知っている放送・新聞あたりの記述に違和感がないので、他も信頼に足ると判断。この本が面白いのは、ページの端に「肩書き比較ナビゲーター」というのがついていて、異業種間のエラさの比較が出来る点だ。

 
 ちなみに放送のプロデューサーとエラさが同じなのは・・・


 出版なら      編集長
 銀行なら      課長/調査役
 外資系なら     Manager/Vice President
映画なら      ファースト助監督
 タレント事務所なら マネージャー
 内閣なら      内閣官房副長官
 官公庁なら     課長補佐
 地方公務員なら   課長/参事
 税務署なら     統括国税専門官
 宮内庁なら     侍従次長
 大使館なら     一等書記官
 裁判所なら     判事補
 警察なら      警部
 消防なら      消防司令
 海上保安庁なら   一等海上保安正
 自衛隊なら     尉官(一尉〜三尉)
 刑務所なら     看守長
 暴力団なら     舎弟頭
 大学なら      教授
 病院なら      医科長/医長
 鉄道なら      主席助役
 パイロットなら   副操縦士
 船舶なら      三等航海士
 板前なら      煮方
 水商売なら     チーフ
 美容室なら     サロンディレクター
 落語家なら     二つ目
 棋士なら      二段
 仏教なら      権大僧都
 カトリックなら   司祭
 神道なら      禰宜
 江戸時代の武士なら 目付
 華族なら      男爵
 相撲なら      十両
 柔道なら      三段
 競輪なら      S級2班
 野球なら      監督


 面白くないすか?
 こうやって並べると、プロデューサーは「組織の中心じゃないけど、そこそこ部下やスタッフがいて、それなりに裁量権がある」という位置づけだとわかる。
 「水商売」の「チーフ」がわかりにくいが、チーフの上は

 チーフ<フロアマネージャー<チーママ<支配人<雇われママ
 <オーナーママ


 という序列だそう。チーママってエラいんだ・・・。


肩書きの辞典

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